霊峰富士

~修験者の足跡を辿る~

今から約500年前に描かれた富士曼荼羅図
いにしえの富士山信仰を学び、体験し、感じる。
普段は経験し得ない特別な旅の経験をお届けします。

絹本著色富士曼荼羅図

絹本著色富士曼荼羅図(通称:富士曼荼羅図)は、国の重要文化財に指定されており、室町時代後期に、狩野派の第二代の宗家で幕府の御用絵師でもあった狩野元信によって描かれたとされています。
富士山はその美しさだけでなく、古くから信仰の対象であり、修行の場でもありました。富士山を巡る信仰は「富士信仰」として広まり、巡礼者が富士山を登る姿や富士山を信仰する人々の姿が描かれています。

富士山を信心するさまざまな ‘拝’ について

遥 拝

YOUHAI

「遠く隔たったところから拝むこと」を遙拝といいます。富士山が噴火を繰り返していたその昔、そのあまりにも激しく吹き上げる火焔に、当時の人々は怒る神の姿を重ねていました。富士山には近づけないために神聖な場所を選び祭祀場としていました。山宮浅間神社の、拝殿や本殿がない遙拝所はその当時の面影を残しています。

登 拝

TOHAI

登拝とは、富士山の御神徳を拝しながら登山することです。富士宮の人穴で修行した修験の一人である長谷川角行が富士講を始め、「富士を拝み、富士山霊に帰依し心願を唱え、報恩感謝する」という教えを広めます。江戸時代に庶民の間で爆発的に広がり、皆がこぞって富士山頂を目指すようになります。

参 拝

SANPAI

富士山そのものを神として崇めていた自然崇拝から、御神体を祀る神社へ参拝するするようになります。特に、江戸後期に入ると街道が整備されたことも手伝って、庶民の間で寺社参拝が盛行したと言われています。

インターネットもSNSもない時代、こうしたブームが起こったのには
富士曼荼羅図や浮世絵が、富士登山の広告物として多くの人の目に触れたことが要因にあります。
まだ見ぬ富士に思いを馳せ、多くの人が足を運ぶきっかけとなる。
手段は違えど、今も昔も心を踊らせ人を動かすのは、神聖で霊験あらたかな富士山の持つ力です。

富士曼荼羅図から読み解く
信仰の道体験ツアーについて

1泊2日に渡って、富士山本宮浅間大社・山宮浅間神社・
村山浅間神社・村山道と、富士曼荼羅図に描かれている場所に訪れ、
学び、体験することでかつての富士山信仰について
深く知るこことのできるツアーです。

day1

ツアーの始まりは静岡県富士山世界遺産センターから

静岡県富士山世界遺産センターは、富士山本宮浅間大社の一之鳥居近くに位置し、2014年プリツカー賞を受賞した建築家・坂茂によって設計されました。展示棟は、逆さ富士を模した逆円錐形の木格子構造で、内部にはらせん状のスロープがあります。訪れる人々は壁面の投影された富士山に関する映像や展示を楽しみながら、まるで登山しているかのような体験ができます。

展示棟内では、富士山の美しい姿が表現された詩や絵画を通じて、富士山周辺の生態系など多角的に学べます。

さらに、展望ホールからは、富士山を目の前に望む絶景を堪能できます。天気の良い日には、その雄大な姿が一望でき、周囲の自然との調和を感じることができ、訪れる人々に深い感動を与えます。センターは、富士山の壮大さとその魅力を学ぶ貴重な場であり、これから始まるツアーへの期待感を高揚させてくれます。

特別ガイドのもと富士山信仰を学びながら擬似登山体験

館内は、この逆さ富士の円錐の中をらせん状に歩きながら6つの展示ゾーンを巡る造りになっています。壁面に投影された富士山にまつわる映像を見ながら全長193mのスロープを登ることで富士登山を疑似体験することができます。

このツアーでは、豊富な知識を持ったセンターの職員が館内を案内してくれます。そして展示棟4階「聖なる山」では、このツアーのメインテーマである「富士曼荼羅図」のレプリカが高さ180.2センチの原寸大で展示されており、これから巡るツアーの全貌がここで明らかになります。(「聖なる山」は一般の方は撮影禁止エリアとなります。)

富士山の自然、歴史、文化、信仰、そして芸術に関して学びながら歩くと、まるで実際に富士登山をしているかのような臨場感を感じ、先人達の足跡を辿るこのツアーへの期待がさらに高まります。

■静岡県富士山世界遺産センター
住所/静岡県富士宮市宮町5−12 TEL/0544-21-3776
WEB/https://mtfuji-whc.jp/

昼食は富士宮を代表するローカルフード“富士宮やきそば&ニジマス料理”

ツアーの昼食では、富士宮を代表するローカルフード「富士宮やきそば」と「ニジマス料理」を堪能。「富士宮やきそば」は、その独特な風味と食感で知られ、2023年にはニューヨークで開催されたJAPANFesコナモンコンテストでグランプリを獲得した名物です。もっちりとした麺と、特製のソースが絡み合った絶妙な味わいが特徴で、地元の人々にも親しまれています。

また、富士山の清らかな地下水で育ったニジマスを使った料理も提供され、新鮮で美味しい魚の味わいが楽しめます。富士宮ならではの味覚を堪能しながら、地域の食文化に触れる貴重な時間を過ごせる昼食となっています。

■お座敷鉄板焼 じねん坊
住所/富士宮市西町4−12 電話番号/0544-26-2829
WEB/https://www.teppan-jinenbou.com
※昼食の店舗は、ツアー開催日・申し込み人数によって変更される可能性があります。

富士山本宮浅間大社にて富士登山の起源を探る

富士山本宮浅間大社は富士宮市の中心に位置し、全国に1300余社ある浅間神社の総本宮です。駿河国一宮、東海地方最古の社で、徳川家康が造営した本殿は国の重要文化財となっています。

古くから人々は、噴火する富士山に怒る神の姿を重ね「富士神」として畏れていました。社伝によると、紀元前27年、神の怒りを鎮めるために山足之地(富士山麓)に富士神を祀ったことが浅間大社の始まりとされています。
平安時代後期、富士山の噴火が収まると、多くの人が富士山へ登るようになります。室町時代に描かれたとされる「絹本著色富士曼荼羅図」には、浅間大社を参拝した人々が、湧玉池で心身を清め、富士山へ向かう様子が描かれています。

このツアーでは大社所蔵の富士曼荼羅図のレプリカを間近に見ながら神職の方のお話を聞き、正式参拝と境内ガイドという、一般の参拝ではなかなかできない貴重な体験をすることができます。

■富士山本宮浅間大社
住所/静岡県富士宮市宮町 TEL/0544-27-2002
WEB/http://fuji-hongu.or.jp/sengen/

知識と探求の一日を癒やすお宿での体と心安らぐ時間

「富士山〜信仰の対象と芸術の源泉〜」についてたくさんの知識を得た一日目が終了。今宵の宿は、眼前に富士山の美しい稜線を眺めることのできる閑静な高台のお宿「割烹旅館たちばな」にて宿泊。

伝統的な和の美しさと心温まるおもてなしで、ツアー参加者に深い安らぎを提供しています。地元の新鮮な食材をふんだんに使用した、季節感あふれる料理が自慢で、繊細な味わいとともに、富士山の恵みを感じることができます。温かいおもてなしと落ち着いた雰囲気の中で、心も体も癒やされるひととき。翌日に控える特別な体験に備えて、十分な静養をとるのに最適なお宿です。

■割烹旅館たちばな
住所/富士宮市野中1085-4 電話番号/0544-27-7000
WEB/https://www.tachibana-fuji.co.jp
※宿泊施設は、ツアー開催日・申し込み人数によって変更される可能性があります。

day2

清らかな朝の空気の中、山宮浅間神社の木立の参道を歩く

お宿からタクシーで約20分程進んだ富士山スカイライン途中にある山宮浅間神社がツアー二日目の最初の立ち寄りスポットです。

富士山本宮浅間大社が現在の大宮の地に遷移する前身とされるっこちらの神社。境内には、本殿はなく、富士山そのものを神様として遠くから拝む遥拝所があります。何度か社殿を建てようとしたらしいのですが、その度に大風の被害に合い、神の所業だと建設することを断念したそうです。

背の高い杉の木立と石灯籠の参道は、夏でも涼しく、自然と背筋が正しくなるようなスピリチュアルな空気が立ち込めています。朝の静かな参道を歩くとかつて富士山信仰の信者達の富士山への畏敬の念を感じることができます。

■山宮浅間神社
住所/静岡県富士宮市山宮740

富士山修行の拠点 村山浅間神社(興法寺)にて山伏に出会う

続いて立ち寄るのは村山浅間神社。毎年7月に富士山の開山祭が行われるこちらは、1868年の神仏判然令までは親仏集合の宗教施設としてと呼ばれ、境内への入口が2箇所であったり、神社と大日堂が現存するなどその名残を残しています。

富士山の噴火活動が沈静化すると、富士山の持つ神力、霊力を得ようと修験者などが山中に足を踏み入れるようになりました。富士曼荼羅図の中心に富士山興法寺は描かれ、富士山で修行する人たちが富士山本宮浅間大社から富士山興法寺へ向かい、水垢離で心身を清めてから山頂を目指す様子が描かれています。

このツアーでは、かつての修行者の姿を今なお受け継ぐ、数少ない山伏が村山浅間神社にて迎え入れます。普段の参拝では決して体験することの出来ない特別な時間を過ごすことができます。

富士山興法寺大日堂にて加持祈祷を受ける

普段は閉ざされている富士山興法寺大日堂。村山の山伏に堂内を案内されます。
中には富士曼荼羅図の複製図が掲げられ、ここでも富士登山のルーツを学びます。大日如来像や、かつての廃仏毀釈運動の名残である首のない仏像や仏具などが展示されています。

ここで体験するのは加持祈祷。加持祈祷とは、病気や災難などをはらうために、神仏に祈ったり、その儀式を行うことです。かつての修験では、仏の山である富士山の中に何日も籠り、厳しい修行を積んで心身を磨き鍛え、悟りを開きます。 富士山の持っている力(超自然的な力)を厳しい修行によって自分の中に取り入れ、その力を使って一般の民衆に家内安全・身体健全などの加持祈祷をしていました。

ツアー参加者は、この特別な加持祈祷を受け、その後水垢離の体験を行います。

白装束に身を包み、水垢離によって心身を清める

村山浅間神社には、水垢離場と護摩炊きを行う護摩壇が今でも現存し、かつての修験道の様子を伺い知ることができます。

垢離とは、冷水を浴びて身を清め、神仏の前に清浄な身となるための慣習です。かつての修験者や登山者がで水垢離をしてから富士山頂を目指す様子が富士曼荼羅図に描かれています。富士山に入る前に山から湧き出る神聖な水で罪や汚れを洗い落とし、心身を清めるために行われていました。

現在では毎年7月の開山祭・入山式で行われているこの儀礼。本ツアーでは実際に白装束に着替えて山伏が真言終わった後の清々しく洗練された身魂を体感することができたと話しています。

■村山浅間神社(富士山興法寺)
住所/静岡県富士宮市村山1151 

浄化された心と体で村山の登山道を歩く

村山浅間神社の水垢離により、身も心も清々しくなったツアー参加者は、実際にかつての修験者が歩いた最古の登山ルートである村山道をガイドとともに歩きます。

標高1250メートルほど、村山から富士山五合目方面に車で20分ほど移動したところに西臼塚があります。ここで昼食を取った後村山道に入っていきます。道中には中宮八幡堂(別名中宮馬返し)や女人堂跡があります。女人堂は、かつて富士登山が女人禁制だった頃、女性はここで遥拝していました。

このあたりの標高は亜高山帯で落葉樹が多く、足元には苔がびっしりと生えて幻想的な空間です。富士登山のルートの中でも、一番自然を感じることのできるエリアです。緑の森を歩き、マイナスイオンと富士山の持つ不思議はエネルギーを体いっぱいに感じ、2日間のツアーを終えます。

■西臼塚駐車場
住所/静岡県富士宮市粟倉

Tour overview

ツアー料⾦の⼀例

おひとり様:120,000円〜(割烹旅館たちばな宿泊の場合)
  • ※⼤⼈・こども同額
  • ※催⾏⼈数4名以下の場合は⾦額が変わります
  • ※宿泊施設のプランによって⾦額は変わります
  • ※料⾦に含まれるもの:ガイド代、通訳代、市内における交通費(タクシー)、昼⾷代(2⽇間)、宿泊代(1泊2⾷付き)、浅間⼤社における正式参 拝初穂料、静岡県世界遺産センター観覧料、お加持・⽔垢離体験料、酒と和カフェやまびこ(静岡茶飲み⽐べセット)料⾦

Gallery of the Tour

Notice

  • 2024.12.5こちらのWEBサイトは現在プレ公開中です。今後価格・内容変わる可能性がありますのでツアーについての詳細はお問い合わせください。

Getting Here

富士宮市は雄大な富士山のお膝元に在ります。
JR三島駅や新富士駅からもアクセスが良好で、
東京駅から東海道新幹線でわずか70分で到着します。
このツアーではJR新富士駅にてドライバーが
お客様をお迎えします。
(※JR富士宮駅の送迎も可)

map transportation